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2016年 08月 23日 火曜日

あの母子は一体となって地域に生きていて、子供は地域が育てている。この子はきっと… 誇りを持って生きて行くに違いない。そう思ったのは、住吉の住之江町の盆踊り。

今年も盆踊りのシーズンとなり、踊りもしない私だが、順番に会場をまわる。毎年必ず行く所もあって、喜んでお迎え下さる。

中でも好きな場所の一つが、住之江町。住之江公園での盆踊りは、15年間、いろいろな理由から中断していたのだが、岩本区長になって以後、6年続いている。最終日には仮装大会もやるのだが、これが名物となって、年々、参加される方が増えている。

そのほとんどが家族づれで、世話をされる住之江地区協議会の人々も、本当に親切に、子供達の安全を見守っている。例えば、トイレに行く時には、お手洗いを使う児童館まで付き添ってくださる。会場内の飲酒喫煙が厳禁で、安心して過ごせるなど、盆踊りのお手本を拝見している気がする。

盆踊り会場は、ともすれば若い衆や役員が飲酒し、たむろして騒いでいるものだ。それも風情だろうし、悪くは無いが、出来れば一体感が欲しいと思う。

学区の校長先生は、わざわざ住之江公園に早くから来て、子供たちを見守っておられる。子供たちが「校長先生!」と言って駆け寄る。いい光景である。校長先生に聞くと、他の先生にも、地区の盆踊りをまわって頂いています、と仰る。

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いよいよ、仮装大会が始まった。私と足立ボランティアや区長、先生や来賓の皆で、採点した。校長先生が、ある番号について「よく頑張ってるなぁ」とつぶやく。ふと見ると、可愛く仮装した少年が、懸命に踊っている。私は、この少年が一番に来て踊っていたのを知っていた。お母さんも、いい仮装をして、二人で懸命に踊っていた。私は、その二人の番号に投票した。結果が発表されると、二人とも入賞していた。

校長先生は一人ずつ頭を撫でて、後で、その少年の写真を撮った。彼は、校長先生のカメラに向かって胸をはり、喜んで校長先生のカメラに収まった。私が「いい少年ですね」と言うと、「いい子ですよ。ただよく休むので…。朝、家に行って起こすのですが、なかなか起きないのです。その時は、お母さんは仕事で留守なのです」と、微笑んで仰った。

「本当に、御苦労様です」と敬意を表した。「学業についてはいろいろあるのですが、地域で大変可愛がられていて、だんじりに乗せてもらっているのですよ」と、嬉しそうにおっしゃる。この母子は、地域で生きている。

この地域は、盆踊りを復活させて、多くの様々な家庭に、楽しみと団結と、思い出をつくっている。体を張って尽くしておられた校長先生には、聖職の志というものを拝見したように思う。岩本区長と協議会の方々に、改めて敬意を表したいと感じたのだった。
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