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2016年 06月 28日 火曜日

お役所ときたら … こういう場合、何か指示をするとか、もう少し対処のしようがありそうなのに、それを… 「私どもの仕事ではありません」でいいのだろうか。

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と、いうのは、原因は分からないが羽をバタバタさせるだけで、飛べずにカァーカァー鳴いているカラスの赤ちゃんにまつわる一件のこと。去る6月12日、私と足立ボランティアが事務所に出勤すると、事務所の前で5〜6人の人が集まって、何やら相談なさっていた。

まもなく、ある方が呼ばれた警察官がやってきた。警察官も気の毒に、何か無線で連絡を取るなどしながら、30分ほども見守っていただろうか。私は所用があって役所に出勤した。上空では、多分親カラスだろう一羽が、カァ〜カァ〜と鳴きながら見守っていた。6時間ほどして見てみると、カラスのフンは残っていたが、カラスの姿は見えなかった。

ところが、17日に、今度は私の事務所の向かいの交差点に、そのカラスが帰って来ていた。「カラスの赤ちゃん、なぜ泣くの」だ。思わず「どうしたんだ」と声を掛けたものの、もちろん「カァーカァー」と鳴くだけ。カァー…さんか、やはり親カラスだろうと思われる一羽が、上空を旋回している。私は、そのカラスが自動車にひかれないようにと、歩道上に上げた。食事をやりたかったが、市会議員が餌をやったと、餌付けでもしているかのように批判する人もいるかも知れないからと、足立ボランティアに「ビスケットでもやって欲しい」と頼んだ。彼女は「大丈夫」と言いながら与えてみたが、食べてくれない。

その様子に、また人々が集った。中には私に「ダンボール箱を取って来るから入れろ」と言う人もいた。入れて、それからどうするというのだろう。仕事のためにまた出掛けて、帰った時にはもう、カラスの赤ちゃんはいなかった。

後で聞いた事だが、ある方がまたも警察に電話したが「私どもの仕事ではない」と断られたと言う。その方は12日の日にも、区役所と保健所に電話を入れたものの、いずれも「私どもの仕事ではない」として断られたと足立に語ったそうだ。

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はて、では初めの警察官はなぜ来たのだろう。聞けば、彼は個人として来てくれたのだそうだ。彼はカラスの赤ちゃんを抱いて、住吉川に連れて行ったという。なんと優しいお巡りさんだろう。私は、なぜ親カラスが近づける所へ運んでやらなかったのかと、反省した。

カラスは保護されず、むしろゴミを荒らす悪い鳥 … 害鳥だと思われている。これがツバメだったら、すぐに役所も動いたかもしれない。人間は残酷であり、また、なんと身勝手な事かと思った。一方、優しい若いお巡りさんについては、嬉しく思った。もしかしたら、組織から注意されたかもしれない。あるいは、ニッコリと笑ってポンと肩をたたかれたかもしれない。

カラスの赤ちゃんがその後どうなったかは、分からない。自動車事故などに遭わず、親カラスの元へ戻れただろうかと、今でも時々思い出す。私は、何もしなかった … それでよかったのか、今でも自問している。