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2016年 06月 10日 金曜日

平野地区にとって、大切な、思い出深い日となったのは、地車(だんじり)新調原木祭が行われた… 大安吉日の平成28年6月5日。

私の大切な地元、東灘上御影町は平野地区で、140年の歴史ある平野の地車が老朽化したため、同地区の人々が総額約1億円を集めて新調しようと決意されたのだ。原動力になられたのは、保元孝彦上御影協力会長と地車保存会の和田利重会長。なんとしても約1億円のお金を集めなければならないのだから、お二人の決断は、さぞや大変なものだったと思う。
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小雨の中、午前10時から上御影会館の広場で、お披露目と鍬入れと彫刻式が、吉野寿久様と木下健司様によって行われた。新調した地車になる原木の欅の木は、樹齢380年のものを滋賀県で選び、平野地区までトレーラーで運んできたものだ。

私も参加をお許しいただいたこの原木祭、会場は適度な緊張感と喜びに満ちていた。若い衆は、てきぱきと打ち合わせ通り会場を整え、人々をご接待。指揮官の和田利重さんの、日頃のご人望の豊かさが分かる ─ そんな清々しい動きを拝見した。

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保元会長は、決意した経過を報告してお礼を述べられ、さらなる協力を乞われた。同町内で暮らしておられる矢田立郎元市長は、ダンジリが地域社会にはたす重要な役割について述べられた。弓弦羽神社神事では、澤田神官が380年という樹齢を平野地区にささげた重みと、これからも平野地区で地車として生き続ける尊さについて語られた。和田利重さんは、参列下さった方々へのお礼を述べられ、その御多幸を祈られた。

翌日に掲載された新聞記事では、和田利重さんが「この原木が、3年後に地車となって帰ってくるのが楽しみだ」と語っておられた。私も、みんなも同じ思いでいる。最後の記念撮影の画像では、皆の顔が、そんな思いに輝いていたのだった。

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