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2016年 05月 24日 火曜日

企業が成り立っていく過渡期として、あるいは食べて行くためには仕方がないと思うところもある。だが、きっちりとやって下さっている会社もあると考えれば… ちょっとしたところで、その会社の素顔が見えてくるというものだ。

というのは、東灘区のあるビルの所有者からの、「テナントで貸してあるビルの前の歩道がくずれて危ないので、直して欲しい」との陳情の件だ。カメラを持って早速現場に行ってみると、成る程、歩道はガタガタになっており、側構、つまり歩道と車道を区切るコンクリートの側構も砕けていた。営業用に重機を使う業者が、トラックからそのビルへの出し入れにそのまま側構を重機で乗り超えて、歩道を横切ってビル内に入るせいだと、すぐに分かった。これでは、たまったものでない。

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私が見に行った時、重機に乗った方が指をさして、ここも、あそこもと言う。私は腹が立った。「貴方がつぶしたのでしょう。他の所は側構との間に丸太をそえるとか、歩道の保護のために何か置くとかして欲しい」と言いたかったが、堪えて黙っていた。

東部建設事務所は、「原因者がはっきりしているし、重機に耐える歩道でないから、また直しても同じこと」と主張される。もっともなことで、一会社の営業のために税金を使う訳にはいかない。そこで、「その通りだが、仮に歩行者や車椅子の方が歩行できないようなら、万一事故があったら責任のなすり合いになってしまう。取り敢えず直してから、会社に、対策と、今後同じようなことをやれば会社の負担で復旧することを申し入れてはどうか」と提案した。

東部建設事務所は「それでは、あくまで仮舗装ですよ」と言い、会社に、私の提案主旨に沿って申し入れて下さった。私もまた、依頼者に「市は、二度と直しませんよ」ときつく申し上げ、歩道を守るための対策を取って下さるようお願いした。

昨5月15日に現場を見に行ってみると、綺麗に直っていた。周辺を見てまわると、ちゃんと丸太や鉄板、スロープを置いたりして下さっている会社もあるが、歩道や側構が崩れたままの所もあった。草がぼうぼうになっている会社の前の歩道には、トラックを駐車していた。困ったことである。

田舎へ行くと、美しい農村をと、沿道に花を植えるなどしている事例を、良く見掛ける。本当に美しくなっていると、また行きたいと思えるようになる。工場団地も、美しくすれば様々な企業が来て下さり、活性化につながるのではないだろうか。企業は人なり。人は、心がけなり。工業団地内をドライブしながら、そう思ったのだった。
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