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2016年 03月 04日 金曜日

時間切れで残念だったのは、予算特別委員会第3分科会。3月1日の分科会は消防局の審査で、私が… 質疑者となり、65分間きっちりと質問に立った。質問は8点について行ったが、その中でご紹介申し上げたいのは、先ず消防職員に対する市民の敬愛の念と局長の内部登用の件。

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私は、日本人の消防職員に対する敬愛の念は乏しいと思っている。アメリカで、ニューヨークの貿易センタービルがテロにより崩壊した時、アメリカ中の消防のOBらが、倉庫から古い消防署とヘルメットを持ちだして、車でニューヨークに駆け付けた。市民は、サンドイッチをつくって沿道で渡し、涙を流した。拍手と声援の中で、彼らは迎えられた。

その後…私が現場を訪れると、町のスーパーでは、ブッシュ大統領やジュリアーニ市長と消防署長が腕を組み、タワーをにらんでいる写真が、飛ぶように売れていた。私も、その写真を自分の事務所に飾っている。

消防士は一家意識を持って

彼国では、消防士が殉死した時は、市をあげてその死を悼む。消防士に話を聞けば「私の祖父や父も消防士だったし、それを誇りに思っている」と仰るそれに比べ、「神戸市民に敬愛の念が低いのはなぜか」と、問うてみた。

岡田局長は、「職員の中でも、親子で消防士になっている職員もいます」とだけ答えた。私は、やはり教育だと思っている。さらに、消防士は一家意識を持ってことに当たって欲しい、と。

皆さんは、自らの命を危険にさらし、人々のために尽くす崇高な仕事をしている。威張るのではなく、誇りを持って欲しい。私は、消防局の局長を内部登用するよう訴えてきた。やっと、内部登用が5代続いている、だが、それまでが消防局長になっていたのは、教育長や都市計画総局長だったりってきたのだ。議会でそれをつくと、「消防士の中に人材がいない」と、平気で答弁していたが、これでは一家意識が育たないと思っていた。

これに対して今の消防局長は、「お蔭さまで、私で5代、内部登用が続いています。ただ、それでは視野が狭くなってしまうので、部長に区役所から来てもらっています」と答えた。私は、「それは大切なことで、かつて、水道一家として水道局はほとんど人事異動がなかった。今は、他の局と同じような移動率になった。消防局の移動率は、どの程度か?」と質すと、「0.2%」だという。これは、少なすぎる。

私は、内部登用を守りながら、他の局に出向して視野を広げるべきだと指摘した。局長も、同感の意を示して下さった。この局長は、視野が広い。答弁でも、再質問を予想しながらで、相手の立場も考えておられる。

ドクターヘリパイロット養成を

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続いて、ヘリコプターについて質した。ヘリコプターは、救援活動に大切な役目を果たしている。関西広域連合では、ドクターヘリは一機維持するのに年間2億2千万円かかっている。神戸市では、維持費が2億5千万円だそうだ。1回出動する費用は、33万円。いずれにしても、高額である。さらに問題は、パイロットの育成である。「他の都市では、市の職員をアメリカに行かせ、育成しようとしている市もある。神戸市はどうするのか?」と聞くと、「今のところ、自衛隊からの応援を得ている」との答えが返ってきた。

ここで時間切れになったが、実は再質問で、「神戸市にはヘリコプターの人材育成に相応しい会社があるので、全日のパイロット育成…特に、緊急用パイロット育成のメッカにしてはどうか」と質す予定だった。言うまでもなく、神戸空港島の施設を想定したのだ。航空機・ヘリを問わず、パイロット不足は高齢化も重なるとても深刻な問題で、奨学金制度の拡充など、国も対策に乗り出しているほど。それが、自衛隊頼みとは、悠長なことだ。そもそも、ドクターヘリのパイロットになるには、10年前後のキャリアが必要だと言われる。だから、喫緊の課題なのに、今から動いても実るのは十数年後。やらなければ、機体はあっても飛ばす人がいない事態に陥る。施設はあるのだから、あとは志ある若者たちがパイロットになれるよう、魂を入れなくては。
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